Zoom演劇を初めて観た感想~劇団Patch『ロックダウンスパイ』第一話 感想あり~

先日、劇団PatchによるZoom生演劇『ロックダウンスパイ』第一話を観劇しました。Zoom演劇自体が初めての体験だったので、その感想をメインにざっくばらんに書いてゆこうと思います(画像は全然関係ない猫ちゃん)。

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役者と観客 全員が同じ空間にいなくても舞台が成立する「Zoom演劇」

セミナーやミーティング、オンライン飲み会等のWeb会議ができるアプリ”Zoom”を使った新しい演劇のカタチ。一言でいうなら「お家にいながら観れる生舞台

画面越しにリアルタイムで観劇できる点ではライブビューイングと同じなんですが、役者さんもおうち?事務所?で演技していて、役者さん同士も同じ舞台上に立っていないのがZoom演劇ならではかも。みんな別空間にいても舞台として成立しているというのが新しいです。

個人的に感じた(観客側からみた)Zoom演劇のメリット・デメリットはこんな感じ

メリット

  • ネット環境さえ整っていれば、どんな場所からでも観れる
  • 飲んだり食べたりしながら自由に観劇できる
  • ラフな格好でみられる
  • 化粧したり、ちゃんとした服を着なくても良い
  • 交通費がかからない
  • チケットが常にご用意されている
  • 実質、最前どセンター席で観れる
  • 家にいながら舞台を観に行った時と近い感覚が味わえる(生演劇の場合)

デメリット

  • 上映中、自分以外の観客の反応がなくてなんかさみしい
  • (通常の舞台と比べると)ダイナミックな動きは少ない

オンライン上で成立する演劇なので、劇場に足を運ぶ必要がないので、それゆえにかかる、化粧や着替え、交通費、移動時間など、いわゆる「観劇以外の、ちょっと煩わしいな・面倒くさいなと思うもの」がない、これはありがたい。
座席の数や場所もないから、チケットがご用意されなくて観れない…という悲しみもないし、座席(視点)はもれなく最前かつセンター席みたいなものなので、見切れもなくみんな平和。通常の舞台の場合、会場が遠方だと足を運ぶまでにかかる費用や時間がないもの嬉しいです。

その反面、観劇中は基本的に自分一人だけなので、舞台で座席に座って観ているときに感じる誰かが息を飲む感じや歓声、友人と観に行ったときに「あ、〇〇ちゃん、今××さん見ているな(笑)」といった、誰かと一緒に観ているからこそ感じられる雰囲気?空気感?はないので、そこはちょっと寂しいです。観劇前後に友達とワイワイするのも好きなので、物足りなく感じたり(舞台関係ないですが)。

ただ、このあたりは観客・友達同士などでDiscord等のチャットサービスを使えばもしかしたら解消できるかも??これなら、通常の舞台マナーを気にせず、おしゃべりしながら観れるので楽しそう。

Zoomの場合、カメラに映る部分が限られるので、役者さんの全身は見えなくて、写ってもバストアップまで。それゆえ、劇の内容は会話や表情を中心にしたものとなり、ダイナミックな動きや身体表現、ミュージカルはZoom演劇では難しそうだなと感じました。

普通の舞台チケットを取るより楽だった!Zoom演劇を観るまでの流れ

最初にZoom演劇を観ようと思ったときに感じたのが「チケット取るのが面倒くさい…」でした。Zoomも使ったことなかったので、Zoomアプリを入れることからはじめないといけなかったのでなおさら。

ただ、実際にやってみると、手間はかからなかったです。

Zoom演劇を観るのに必要なのは
・Zoomアプリ
・招待状(チケット)
この2つ。

Zoomアプリに関しては1度入れてしまえば、2回目以降はそれをそのまま使えます。アカウント・サインインは不要でアプリをダウンロードできればOK(ブラウザ版の場合はアカウントのサインインが必要)

Zoomアプリに関しては、初回のインストールが済めば、以降は特にすることはなし(バージョンアップは必要ですが)

招待状は購入ページからメールアドレスとクレジット情報を入力すれば手続きは完了。

クレジットカードがない、ネット上でクレカ情報入力に抵抗があるという場合は、Vプリカ(インターネット専用のVisaプリペイドカード。クレカと同じように使えるやつ)が使えます。Vプリカはコンビニでも買えるので、実質コンビニ支払いみたいなもん(超大雑把な例え)

メールアドレスに招待状メールが届き、開場時間になったらメールに書かれているリンクを開けば視聴できます。名前や住所登録もなし(※主催によって変わるかもしれませんが、今回観た舞台に関しては不要でした)

チケット購入までの流れがいつもと違い、最初は戸惑うので手間だと感じるのですが、よくよく考えてみると、いつも舞台チケットを取るときはもっと手間かかっているので(当選するまで抽選を何回も申し込んだり、チケット入金しにコンビニ行ったり、チケット発券するためにコンビニ行ったり…)、家にいながら1分もかからず全てが完結する、しかもチケットは必ずご用意されるのはいいね!

いずれにせよ、慣れないゆえに最初は心理的ハードルが高かったですが、あっという間に慣れました。次からは秒でとれそう。

劇団Patch『ロックダウンスパイ』第1話の感想(ざっくばらんに)

感想を一言でいうと、もれなく全員キャラ濃いな!

全5話からなる、連続ドラマ型の演劇で、1週間毎に1話ずつ話が進んでゆきます。その第1話なので、設定とかキャラクター登場がメインの、本当に連続ドラマ第1話の導入といった感じでした。

ストーリーとしては、日本に潜入していた某国のスパイたちが、緊急事態宣言のために任務ができなくなったため、Zoomで情報交換する。堅牢なハッキング対策を行った上での情報交換の場のはずが、既に日本の公安警察に把握されていて…という流れ。

 日本語不自由なのにネトフリに詳しいエリート
 顔てっかてかなガチ(GACHI)
 女子力の行方が気になる紅一点(?)ヨシコ
 潜伏先が大阪だったばっかりに…なミナミ
 蟹工船に乗せられそう…なロック
 一目見て「こいつやべぇ」と思いましたキョウジュ
 毎月の米国雇用統計でFX参戦してそう(偏見)なカブ
 ポテチは箸で食べる派ツッコミ公安五係・平山

個性豊かなキャラクター達が登場するテンポの良いコメディ。Zoomの特色を存分に使っていて、リモートならではの設定や演出が面白かったです。笑った。普通の舞台だとこれは逆にできない、おそらくZoom演劇でしかできない演劇。ストーリーも時事ネタで今だからこそできる旬な作品でした。

公安警察の平山のように、観客側もスパイたちの秘密会議をこっそり覗いているようなドキドキ感もあるし、回が進むごとに謎が明かされるミストリー要素もあり。続きが気になるので第2話も観る予定です。

画面越しからでも舞台がはじまる前の緊張感やドキドキが伝わってくるので、生舞台を観ている時と近い感覚が味わえました。舞台が終わった後、ミュートロックが解除されるので役者さんに拍手を送ることもできる。パソコンの前にいながら観劇体験できる、自粛中で生の舞台を観に行くことができず飢えていたところにきた久しぶりの感覚で謎の充足感がありました。

パソコンとスマホ どっちで観るのが良い?問題

Zoom演劇はパソコンとスマホで観られます。

今回私はパソコンから見ていたのですが、スマホからだと一度に4人までしか見れないみたい(画面の大きさ的に)。登場人物は全部で8人(もっと増えるかも?)なので、スマホからだと見れないキャラクターが出てくるらしい。スワイプすれば見れるようになるので、スマホ視聴の場合は、都度スワイプしながら観ることになるみたい。第1話でヨシコがさりげなくそういう話をしていた(Zoom初心者にも配慮されている…優しい)

スマホの場合はどこでも観れるし、なんなら移動中でも観れるというメリットがあるので、パソコンとスマホ、どちらが良いかはその人次第ということになってしまうのですが、個人的にはパソコン視聴がおすすめです。役者さんの顔が大きく映るので、最前ドセンターの恩恵がよく受けられると思います。

Zoom演劇のチケット価格など

今回の舞台のチケット価格は、1話888円(税込)。上映時間は25分。
これを安いととるか・高いととるかは意見が分かれそう。

「ネット上からコンテンツを観る」と、とると高いです。動画配信サービスだとこれくらいの月額料金で動画作品が見放題だから。

一方で、「舞台を観る」と、とると安いです。全5話みた場合、チケット代は、888円×5話=4,440円。上映時間も、25分×5話=125分。割と適正…いや、チケ代としては安いほう。ライビュも最近はそれくらいのお値段だし。Zoom演劇の場合はおうちで観れるので、交通費や化粧や服にかかる時間やお金がかからず、ネット費用と相殺しても”観ること”にかかるコストはめちゃくちゃ安い。

Zoom演劇は両方の要素が備わっている上に今まで見たこともないジャンルなので、少なくとも私はいまだに判断つけられない…。ただ、今回みた作品に限って言えば、コンテンツとしてとても面白かったし私は観てよかったと思ってます。

まとめ

新型コロナウイルスによる自粛中ゆえに知ることができた新たな演劇であり、久しぶりに「舞台を観た」という感覚が味わえて楽しかったです!舞台に飢えている方、何か新しい体験をしてみたい方におすすめ。

『ロックダウンスパイ』は今日(6/5)から第2話がはじまるので、興味ある方はぜひ。

『ロックダウンスパイ』作品概要

◆ 作品名:Zoom生演劇『ロックダウンスパイ』
◆ 脚本:高殿円
◆ 演出:A・ロックマン
◆ 出演:中山義紘、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、尾形大吾、藤戸佑飛 (劇団Patch)
◆ 話数:全5話
◆ 上演日時:開場 21:30、開演 22:00
  第1話:5月29日(金)・30日(土)・31日(日)
  第2話:6月5日(金)・6日(土)・7日(日)
  第3話:6月12日(金)・13日(土)・14日(日)
  第4話:6月19日(金)・20日(土)・21日(日)
  第5話:6月26日(金)・27日(土)・28日(日)
◆ 上映時間:各話 約25分
◆ チケット料金: 各888円(税込)
◆ 作品URL:https://match-ing.jp/lockdownspy/

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