【読書感想】最後に臼が笑う 森絵都

「どんなに悪い男にだって愛しむべき一点がある」を座右の銘に、積極的に悪い男に騙される桜子。そんな彼女でも受け入れられない「愛しいところがこれっぽっちも見つかれへん最悪な男」があらわれて…

内容紹介で「とてもひねりの効いた、一筋縄ではいかない大人のための恋愛短編」と書かれたけれど、いやこれ、ブラックユーモアだよね?!恋愛とは…(哲学)ウッチャンがシリアスなコントでやりそうな雰囲気のお話。桜子の恋愛哲学は割と好感持ってます。見習う気はないです。

1 ページ目から胸を突かれるようなインパクト大な桜子の善悪考察。言われてみれば、善キャラの代表といえるアンパンマンはどこからどうみても丸い(キャラも見た目も)。そこに安心感もあるけど、恋人や結婚相手だったら物足りなく感じちゃうのかも。その点、バイキンマンは知れば知るほど意外な面が多い。
個人的には、桜子の善悪考察は創作物の善悪で、私(語り部)の善悪考察はリアルな善悪という印象でした。でもそれは私が私(語り部)寄りの思考だからかもしれない。

タイトルの『最後に臼が笑う』の臼ってどういうこと??と気になって読み始めたのですが、見事なまでに綺麗にタイトル回収されてました。これには私も思わず拍手。
善とは…悪とは…と考えていても、それを超越する存在にはどう足掻いてもかなわないよね。

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